
先だって、「ソーラー電波腕時計」を買った。デジタル表示のものである。
値段は量販店で、14700円。チタンバンドで、同じものでゴムバンドなら1万円ほどだった。
デジタル表示の腕時計については、あれはもう30年以上も前だろうか、出始めの頃で物珍しかったころ、買ったことがあった。
それは単純なデジタル表示だったが、新しもの好きで、そのときはただ珍しいだけで買った。が、それはやがて飽きて、そのうち壊れたかどうかして、手元から消え失せた。
使っていてもなんだか、ピンと来なかった。
以来、腕時計は、ずっとアナログ表示のものを使ってきた。
今回、デジタル表示のを買うきっかけになったのは、新聞の広告をふと何気なく見て、時計に月の満ち欠けがあると知ったからだ。月が好きだからである。
夜空に浮かぶ月が好きだ。なんとなく愛着がある。
おぼろげな春月、赤い夏月、輝く秋月、玲瓏な寒月。
三日月、半月、満月、雲間の月。
月はいつみても、いい。
月を眺めつつ、酒を酌むのが好きだ。
月下独酌。月と酒を愛した李白を繰りつつ、月を眺めて盃を重ねるのは最高だ。
腕時計のデジタル表示のひとつに、月の満ち欠けがあると知って、さっそく買いに出かけた。
時計は何種類もあった。
値段もさまざまであった。
当初、新製品で、4万円ほどのずいぶんと多機能になっているのを買おうかと思った。
それは月の満ち欠けばかりか、潮の満干、方角、山の高低、さらには,世界の各都市の時刻や、ストップウォッチ、タイマーなど多々の機能がある。
それにソーラー&電波で、電池交換や時刻合わせがいらない。
これまで常用してきたのは、アナログ表示のもので、ソーラーだが、電波ではなく、時刻合わせが必要だ。といっても、時分針ではなく(これはもちろん、狂えば調整せざるを得ないが、ほとんど狂わない)、月日の「日」だ。
曜日と日が自動表示されるが、曜日はいいとして、日は2月のほか、30、31とあるからそのつど調整しなければならない。しかし、それは小さな文字で、老眼のためほとんど見えないから、直さないで、そのままにしている。
今改めて見たら、「月」&「5」になっている。月曜表示はいいとして、「5」であるのは、2月で狂いの差が大きくなってそのままというわけなのであろう。
そういう調整の手間が要らないのは、「電波」のよいところだろう。
多機能ぶりをいろいろ検討してみたが、しかし、それほど多機能を必要としないことが分かった。
あっても、面倒で、なかなか使わない。
月の満ち欠けにしたって、とくに必要なわけではなく、ただ月の状況を知りたいだけだ。
潮の干満なんてのはまず要らない。
方角や山の高低もかくべつ山登りを趣味としているわけでないから、とくに要らない。
ストップウォッチやタイマーぐらいがあればいいか(それらもほとんど使わないが)、といったわけで、比較的少ない機能のを選んだのだった(月ノ形と共に潮の干満も付いている)。
月齢は暦本をみれば判断が付くわけだが、腕時計をみるたびに黒白の表示でだいたいの月の形が意識づけられるのは面白い。
「今夜は6日月か」と改めて意識し、いつ出るのだろうか、晴れたら眺めようと、昼間っから夜の月を思うのも楽しい。
ストップウォッチやタイマーはまだ一度も使ったことはないが、便利なのは電波による時刻の正確さである。
この腕時計によって、JRの電車運行が時間になんとも正確だと、改めて知った。
すると、乗り換えの時など、発車時刻が分かれば、腕時計を見、まだ30秒あるから、階段を急いで上り下りすることもないという判断がつくのである。
皆が走るので、いっしょにあわてて階段を飛び降りて、電車に乗ったけど、十分に時間があり、なにもあわてる必要はなかったのに、と大息つきながら反省することがあったが、それがなくなったのである。
これは、おおきなメリットだ。
それと、森林公園で運動をするのを日課にしているが、運動のひとつに大樹に向かっての鉄砲がある。どすんどすんと、手で交互に大樹を突くのだが、このとき、いくらか手首に衝撃が生ずる。
テニス、キャッチボールていどならOKということだから、腕時計も外さないでやってもいいだろう。
それに、目の運動として「遠近を数秒ずつ交互に見やる」というのをやっているが、その際、近場をみるのをこの「秒」を見ることにすると、飽きないということも分かった。
これまでのアナログの秒針の動きを見るのは、どうも単調で、面白くなかった。その点、デジタルは数字が刻々と変るから、なんとなく飽きないのである。
公園で片足立ちし、1分間で、5、6秒ずつ遠近を交互に見やるのをやっており、その際にデジタル腕時計を有効利用しているのである。
ソーラー電波のデジタル腕時計は、「月の満ち欠け」が魅力で買い求めたのだけれど、そんな情緒的魅力ばかりでなく、多分に実用的であり、外出時には欠かせない愛用の持ち物となっているのである。
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